「妊娠と歯周病の関係」

妊娠中の母親が歯周病にかかっている場合の胎児への影響についてはいくつもの報告があり、早産や低体重児出産等がその代表的なものです。
歯周病の原因菌は歯肉の奥へと侵入してゆき、そこから血管に入り血液と共に全身をめぐり、子宮や膣をはじめとした種々の臓器や器官に侵入します。
こうした菌は羊水中にまで影響を及ぼし、早産、低体重児の原因となることがわかってきました。

現在、早産による低体重児出産の確率は1割程度といわれており、その原因の一つとして膣の細菌感染による炎症があげられます。
膣に感染が起こると、胎盤膜での炎症の結果、子宮が収縮し、子宮頚部が拡張した結果、早産へと繋がります。
ノースカロライナ大学のSteven Offenbacher教授らの研究によると、歯周病の原因菌が歯肉の奥へと侵入していきそこから血管に入り、膣感染症が起こっていると報告されています。
妊娠中に歯周病でない母親と比べて、妊娠中に歯周病である母親が早産となる危険率は7倍になるのです。
ちなみに飲酒をする母親の早産の危険率は3倍ですから、歯周病の早産に対する危険性がいかに高いかがわかります。

歯周病をきちんと治療し、ブラッシングをしっかり行うことでそうした危険性は低くすることができます。
早産で生れた新生児の中には呼吸器疾患や脳性麻痺などの長期におよぶ障害を有していることも少なくありません。
こうしたことにならないように妊娠前にきちんと検査を受け治療を受けておくことと、妊娠中および出産後にも継続的なケア−を受けることが必要です。

このように妊娠する前に歯周病の治療をしておくのが最良ですが、現実には自身の歯周病に気づいていない方が妊娠されて、その後歯周病が悪化して気づくというケースは多くあります。
歯周病の方が妊娠された場合、妊娠中は歯周病が進行しやすくなりますので、妊娠中および出産後にケア−を受けることは重要です。


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