「中華そば若松」


当HPでもとりあげているが、かつて藤沢に存在した名店「めじろ」のラーメンを初めて口にした時の衝撃を、僕は今でも鮮烈に記憶している。
じつはこの店の主人も「めじろ」のラーメンに衝撃を受け、気がついた時には既に虜になっており、足繁く通ったそうである。
「自分もあんなラーメンが作りたい」という思いから研究を重ね、ついに横須賀の地に店を出してしまったのだという。
この店のラーメンを食べた後の僕の感想は「なるほど、やっぱり”めじろ”から多大なる影響を受けているのね、、、」というものである。
客が僕以外にいないことが常、、、ということも手伝って、ご主人との「めじろ談義」に花が咲いてしまうことが多い。

実際、スープの味の方も、魚系の出汁でめじろと似ているのであるが、焦がし葱の影響で実は見た目よりも油っこいというのも共通。
その油の効果で麺がイキイキすることを狙っているのであろうところも共通である。
スープは全体的に和風テイストが強く、麺は縮れ麺で喜多方ラーメンほどではないが、このスープにはちょいと太すぎるかも、、、という感じではある。
しかし、全体としての味はかなり良い。
1杯づつ丁寧に作ってくれるところも好感度大。
個人的な好みではあるが、このテのラーメンの中で横須賀ではピカイチではないか?と思えるのだ。
、、、と言うよりも、このテのラーメン屋が今まで横須賀に無かったと言った方が正しそうだ。

この原稿を書いている今、2004年も秋を迎えようとしているが、「若松」はその実力とは裏腹に苦戦を続けている。
メニューが中華そば、チャーシューメン、つけめんのみ。
大盛りは麺がのびるから注文不可、というのも横須賀の地では受け入れられない一因だろう。
横須賀とは何とも不思議な土地柄で、他の土地でどんなに成功して有名になったラーメン店が出店しても、決して行列ができないのである。
しかも、ラーメンなんて飲んだ後に食うものという固定観念が根強く、この店にビールがないということは、実はスタートから相当なハンデなのである。
横須賀人の行列してまでラーメンを食べようとしない気質も手伝って、ラーメン一本に絞って勝負するこだわりの姿勢が今のところ裏目に出ている格好だ。

仮に藤沢市内に開店していたら、既に人気店の仲間入りをしていることだろう。
実力的には申し分ないのだが、閑古鳥に好かれてしまっている現状は何とも口惜しい。
加えて国道16号の交差点に面しており、一見立地が良さそうなのだが、実は周辺に路上駐車がしにくいというのも大いなるマイナスポイントだ。
今は辛抱の時。横須賀という特殊な土地で、このような実力派のラーメン屋さんには是非とも成功して欲しい。

追補(2004年10月):
縮れ麺はストレートの細麺に変わりました。
今までの醤油味に加えて塩味も選べるようになりました。
大盛りの設定がありませんでしたが、¥300で「おかわり」が出来るようになりました。塩味でも醤油味でもOKという嬉しい設定です。


追補(2004年12月)
その後、ラーメンの味はどんどん進化を遂げ、
上記の文章を記した頃とは比べ物にならぬほど美味しいラーメン店になってきている。
横須賀はもとより、日本全国でも屈指の味と言って過言ではないだろう。
味付け卵に関しても超高レベル、小生は2ヶ注文するほど。
閑古鳥に鳴かれていたのも過去の話となりそうだ。
日曜日も昼のみ暫定営業中!です。

追補(2005年3月)
その後、ラーメンの味は安定感を増し、名実共に美味しいラーメン店になっています。
今度は自家製麺に挑戦するとのこと。
夜の時間を製麺の研究に充てるため、昼のみの営業となりました。


追補(2007年1月)
その後、ラーメンはさらに進化を遂げ、現在は濃厚魚介出汁や海老出汁のメニューも加わっています。雑誌等の取材も増え、行列必至の人気店になるのは時間の問題でしょう。

追補(2007年10月)
現在も夜は平日に限り営業中。雑誌の表紙を飾るなどで行列もできるようになってまいりました。メニューから「おかわり」が消えましたが、基本の味は進化中です。
現在の小生のイチオシは「昆布の塩そば+味付け卵+ごはん」の組み合わせです。



『中華そば若松』
横須賀市大滝町1-4
電話:046-826-0661
営業時間:11:30 〜15:00
休業日: 土曜日(臨時休業の場合はHPおよび店頭にて告知)

中華そば若松のHP

「中華そば若松」は2009年5月に閉店しました。



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