歯周病学会の認定医・専門医・指導医とは?


日本歯周病学会では、歯周病の治療に関する幅広い知識と技術を有する歯科医師を「認定医」として認定するとともに、さらに専門性の高い治療を的確に行える歯科医師を「歯周病専門医」として認定することを、国民に対する重要な責務と位置づけています。
日本歯周病学会のホームページには、都道府県ごとに認定医と専門医の一覧が掲載されていて、住所や電話番号も公表されており、歯周病に悩む患者さんが歯周病治療の専門家を簡単に探すことができるようになっています。

それでは「認定医」「専門医」「指導医」の違いとは、どういった点でしょうか。

『認定医』
認定医とは、日本歯周病学会が認めた「研修施設」で3年以上の研修を行ない、日本歯周病学会が定めるカリキュラムを履修し、歯周病治療を行うための基本的な知識と技能を習得して、日本歯周病学会が行う認定医試験に合格した日本歯周病学会員のことをいいます。

『歯周病専門医』
歯周病専門医とは、認定医の資格を取得した後、2年以上の研鑽を積み、日本歯周病学会が定めるカリキュラムを履修し、歯周病治療に関する専門的な知識と技能を持ち、日本歯周病学会が行う専門医試験に合格した日本歯周病学会員のことをいいます。
なお「歯周病専門医」という資格は、「広告することができる資格」として厚生労働省から認められた5つの専門歯科医師資格のうちの1つであり、日本歯科専門医機構からの承認も受けています。

『指導医』
指導医とは、歯周病専門医の資格を取得した後、7年以上の研鑽を積み、認定医や歯周病専門医をはじめとした歯周病学会員に対して責任ある指導ができる者として、日本歯周病学会による指導医試験に合格した歯周病専門医のことをいいます。
日本歯周病学会が認めた「研修施設」には、必ず常勤の指導医が在籍しており、指導医は研修施設の掛け持ちはできません。
認定医試験や専門医試験を受験するためには、指導医の推薦が必要になります。
さらに指導医は、地域医療・地域歯科医療・歯科医師会等においても、指導的立場で歯周病学・歯周治療学を推進します。



なお、上記資格の取得の難易度ですが、2021年5月現在、認定医が歯周病専門医になるステップが、最もハードルが高く、最難関となっています。

さて、ここで誤解のないように、、、
上記の資格は「治療を行うための資格」ではありません。
「認定医を取得していないと歯周病の治療をしちゃダメ」ということではありません。
歯周病専門医でもなく認定医でもない歯科医師が、歯周病治療をしても全く問題ありません。
「日本歯周病学会員でなければ歯周病治療をしちゃダメ」ということもありません。
歯科医師の資格さえあれば、歯周病治療を行うことができます。

上記の資格は、どれも個人の意志によって取得するものです。
資格を取りたくない、資格を取る必要がない、と思えば、取らなくても良いのです。
日本歯周病学会に長く在籍しているのに認定医すら取得していないからといって、能力が劣っているとは限りません。
認定医の資格を持っていない歯科医師が、素晴らしい歯周病治療をしているという例は、決して珍しくありません。
歯周病専門医でも認定医でもないけれど、指導医以上に素晴らしい歯周病治療をする歯科医師も実在します。

患者の皆様におかれましては、認定医や専門医の資格というのは、あくまでも「歯周病治療の最低ラインは確保されている」くらいの認識をしていただければと思います。
どんなに名医と呼ばれるような歯科医師でも1人の人間です。患者さんとの「相性」が良い悪いというのは必ずありますから。


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